作家・藤澤は困っていた。彼は全く書いたことのないミステリー小説の執筆を引き受けてしまったのだ。彼はミステリーに疎かった。
「書けない…」
そんな中、彼はとんでもない事を思いつく。
「そうだ… 嘘の殺人事件を起こして、人間のリアルな反応を見てみよう」
これでインスピレーションが湧かない筈は無い。編集者・末国と悪巧み。
人里離れたいかにもそれっぽいペンションを探し、売れない役者を雇い、知人を招き、とある人物にドッキリを仕掛けその反応をみて筆を進める…。
「殺人事件に巻き込まれた人はどういった反応をするのか?」
そんな思い付きの算段だったが、まさかの本物が現れて…